【IELTS対策最新マニュアル②】IELTSの独特なスコアの見方や申込方法、TOEFLとの比較などを徹底解説

イギリスをはじめとした欧州の大学に留学したい場合、IELSはぜひとも受けておきたい試験です。しかし、英検やTOEICなどの日本発の英語技能試験と違って海外発の試験であるため、受験するにあたって具体的な情報が得られず困っている人も多いのではないでしょうか。
【IELTS対策最新マニュアル②】ではIETLSの独特なスコアの味方や申込方法などを詳しく解説していきます。、
【IELTS対策最新マニュアル①】と一緒に読めば、IELTSへの備えは万全です。
【IELTS対策最新マニュアル①】IELTSってどんな試験?詳しい試験概要と試験形式を詳しく解説

また、併せて検討されることの多いTOEFL iBTとの比較もしているので、それぞれの違いが気になっている人もぜひ参考にしてみてください。
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目次

IELTSのスコア計算

IELTSのスコアは4技能それぞれで1(最低)から9(最高)までの9段階で算出され、それらを平均したものが総合評価として0.5刻みのバンドスコア(6.0、6.5、7.0など)で示されます。各スコアの表すレベルは以下の通りです。
バンドスコアレベル(英語力)
9(エキスパートユーザー)英語を自由自在に使いこなす能力を有する。適切、正確、流暢、完全な理解力もある。
8(非常に優秀なユーザー)不正確さや不適切さがみられるが、英語を自由自在に使いこなす能力を有している。慣れない状況下では誤解が生ずる可能性もある。込み入った議論にも対応できる。
7(優秀なユーザー)不正確さや不適切さがみられ、また状況によっては誤解が生ずる可能性もあるが、英語を使いこなす能力を有する。複雑な言葉遣いにも概ね対応でき、詳細な論理を理解できる。
6(有能なユーザー)不正確さ、不適切さ、誤解もみられるが、概ね効果的に英語を使いこなす能力を有する。特に、慣れた状況下では、かなり複雑な言葉遣いの使用と理解ができる。
5(中程度のユーザー)不完全だが英語を使う能力を有しており、ほとんどの状況でおおまかな意味を把握することできる。ただし、間違いを犯すことも多い。自身の専門分野では、基本的なコミュニケーションを取ることが可能。
4(限定的なユーザー)慣れた状況においてのみ、基本的能力を発揮できる。理解力、表現力の問題が頻繁にみられる。複雑な言葉遣いはできない。
3(非常に限定的なユーザー)非常に慣れた状況において、一般的な意味のみを伝え、理解することができる。コミュニケーションの断絶が頻発する。
2(散発的なユーザー)慣れた状況下で、その場の必要性に対処するため、極めて基本的な情報を片言で伝える以外、現実的なコミュニケーションをとることは不可能。英語の会話や文章を理解することは困難である。
1(非ユーザー)単語の羅列のみで、基本的に英語を使用する能力を有していない。
参考:バンドスコア・採点方法|IELTS

留学に必要なIETLSのスコアはどれくらい?

上記表の9と1の間には言うまでもなく大きなレベルの開きがありますが、その中での分水嶺、つまり留学時に有用な英語力として利用できるかどうかの境目になっているのは「バンドスコア6(有能なユーザー)」です。実際、英語圏の大学の多くでバンドスコア6を出願の条件としているため、6以上のスコアを保持できれば海外留学における選択肢を大きく増やすことができるでしょう。
とはいえ、具体的にどれくらいのバンドスコアが必要なのかは個々の大学により異なります。志望校が決まっている場合は、必ず事前に募集要項などを確認するようにしましょう。

スコアの利用方法

IELTSスコアを留学の出願に利用する場合、出願する大学宛に成績証明書を送るよう手配することが可能です。IELTSのスコアは受験後2年間有効なので、成績証明書もテスト実施日から2年以内であれば手配することが可能です。
大学などへの成績証明書の送付は5通までは無料、それ以上は1通につき1,000円前後の追加費用がかかります。
送付申請は受験申し込み時か、受験後一定期間が経過した後に申請フォームに記入することで可能です。

IELTSの申し込み方法

IELTSは複数の団体によって運営されているため、受験する際は各運営団体の公式ウェブサイトから申し込みます。
団体ごとに申し込みの手順に若干の違いはありますが、パスポートが必須という点は共通しています。必ず事前に用意したうえで申し込み準備を進めましょう。
現在日本でIELTSの受験申し込みができるのは以下の5つの団体です。
IELTSの受験ができる運営団体
ブリティッシュ・カウンシル
公益財団法人 日本英語検定協会
IDP
JASF
バークレーハウス公式テストセンター
運営団体が違っても、試験の内容や採点基準に違いは生まれません。しかし、各団体によって実施日程や会場、所持品などの詳細が異なってくるため、事前に確認しておくことが大切です。
たとえば、日本英語検定協会で申し込んだ場合には、当日パスポートの原本に加えてカラーコピーも持参する必要があります。

ELTSの受験料金

IELTSの受験料は、ペーパー試験の場合は一律で25,380円(税込)です。
しかし、コンピューター版試験(CD IELTS)を受験する場合は、団体ごとに受験料が異なります。近年になって値上げをしたケースもあるので、コンピューター版試験を受験する場合は事前に料金を確認しておくと良いでしょう。

 IELTSとTOEFL iBTは何が違う?それぞれの試験の比較や換算スコア

IELTSと合わせて検討される試験にTOEFL iBTがあります。英語を母国語としない人々を対象にした英語技能試験として4技能を測ることから、どちらの試験を受けるべきか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
そこで、ここからはIELTSとTOEFL iBTの違いについて4つの観点から比較をしていきたいと思います。

比較①:試験時間の違い

IELTSの所要時間は約2時間45分です。しかしスピーキングテストで待ち時間が発生するなどのイレギュラーが発生するため、概ね3時間前後と考えておくと良いでしょう。
一方、TOEFL iBTはもともと4時間半にわたる長時間の試験でしたが、2019年以降は3時間に短縮化し、IELTSとほとんど同じ試験時間になりました。そのため、試験時間の点では現在のところ両者の試験に違いは無いと言えます。

比較②:試験形式の違い

IELTSは2022年6月現在、紙とペンで受けるペーパー型試験とコンピューター上で受けるコンピューター型試験(CD IELTS)という2種類の試験形式が存在します(2022年からは自宅で受けられるオンライン型試験も実施予定)。
その一方、TOEFL iBTは「iBT(internet-Based Test)」という名前の通り、4技能すべての試験がコンピューター上で完結する試験であり、ペーパー型試験は実施されていません。
そのため、コンピューターを操作することが苦手な人の場合はIELTSのペーパー試験の方が受けやすいでしょう。

比較③:費用の違い

IELTSの受験料が25,380円(ペーパー型試験の場合)と日本円での支払いである一方、TOEFL iBTの受験料は$245とアメリカドルでの支払いです。2022年6月現在の為替レートだと約33,000円に相当します。
その時々の為替レートによって多少の上下はあるものの、費用面ではIELTSの方がリーズナブルだと言って間違いないでしょう。
ただし、IELTSのスピーキング試験が別日に設定された場合は、別途交通費や宿泊費などが発生する可能性もあるので注意しましょう。

比較④:合計スコアの違い

IELTSは9.0点満点の試験、TOEFL iBTは120点満点の試験です。両者で合計点数のスケールが異なるので素点のままでは比べづらいですが、国際的な英語力の評価基準であるCEFRに基づいて比較すると、以下のような換算表にまとめることができます。
CEFRTOEFL iBTIELTS
C28.5~9.0
C195~1207.0~8.0
B272~945.5~6.5
B142~714.0~5.0
A23.0
A12.0
参考:各試験団体のデータによるCEFRとの対照表|5.英語教育の改善・充実について P.37(P.84)|文部科学省

IELTSとTOEFL iBTはどっちを受けるべき?

IELTSはイギリス発、TOEFL iBTはアメリカ発の英語技能試験です。そのため、イギリスをはじめとする欧州の大学に留学する場合はIELTSを、アメリカの大学に留学する場合はTOEFL iBTを受験するのが効果的だと言えるでしょう。
実際、イギリスの大学の中にはTOEFL iBTを語学認定として採用していない大学も存在し、アメリカの大学でIELTSが認められないケースもあります。これらの試験を留学における語学力証明として活用する場合は、志望校の募集要項をしっかり確認したうえで、適切な方を受験するようにしましょう。

IELTSは海外留学を中心に幅広く役立つ試験。入念な対策をして高得点を狙おう

IELTSには、用途ごとにアカデミックモジュールとジェネラルトレーニングモジュールの2種類がありますが、海外留学を目指すのであれば基本的にアカデミックモジュールの受験が必要になります。発祥国のイギリスをはじめとする多くの国々で語学力の証明として定着しているため、高スコアを出せば留学における可能性を大きく広げることができるでしょう。
しかし、そのぶん難易度も非常に高い試験です。日本人が何の対策も無しに受けたとしても、高い点数を出すことは難しいでしょう。
今回ご紹介したことを参考に入念な対策を取り、IELTSで高得点を勝ち取りましょう。

【IELTS対策最新マニュアル①】IELTSってどんな試験?詳しい試験概要と試験形式を詳しく解説
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