「アメリカ版センター試験」とも言われるSAT試験。アメリカの大学を受験する人にとっては、ぜひとも受けておきたい試験ですね。しかし、ひとくちにSAT対策と言っても、具体的に何をすれば良いかわからないという人も多いのではないでしょうか。 それもそのはず。SATには、大きく分けて
- Reading
- Writing and Listening
- Math
の3種類の科目が存在していて、それぞれで内容や対策方法が違っているのです。 そこで今回の記事では、SAT試験で出題される3種類の科目について、それぞれの特徴や対策方法を詳しく解説していきます。これを読めば、SAT試験を受けるにあたっての準備・対策は万全ですよ。それでは、早速始めていきましょう。 ※この記事は紙ベースのSAT試験についての記事になります。Digital SATについては「【最新SAT対策情報】デジタルSATはどう変わる?2023年から実施されるThe Digital SATを詳しく解説」をご覧ください。 SATの公式サイトはこちら
SAT試験対策の塾・予備校をお探しなら『ケドテック』にご相談ください
各種英語試験対策やアカデミック英語対策の受講相談・お申込、お問合せはこちら。
目次
SAT試験の概要・SAT試験の受験科目とは?
SAT試験を受験する場合、その試験科目はReading, Writing and Listening, Mathの3種類。 3科目それぞれの問題数と試験時間、配点は以下のようになっています。
スクロールできます
科目 | 問題数 | 試験時間 | 配点 |
---|---|---|---|
Reading | 52問 | 65分 | 800点※ |
Writing and Language | 44問 | 35分 | 800点※ |
Math | 58問 | 80分 | 800点 |
この表からもわかるように、ReadingとWriting and Languageは形式上分かれているものの、配点は一括りに800点となっているため、しばしば併せてEnglishと扱われます。 Englishパートは100分間で96問の問題を解かなければならず、単純計算で1問に1分ちょっと。文章を読んだうえで回答する問題も多いため、時間的に非常にシビアな試験であることがわかりますね。 また、Mathの場合は80分間で58問、単純計算で1問あたり約1.4分。Englishに比べると余裕がありそうに見えますが、Mathでは単純な計算問題だけでなく、複数の計算過程が必要な応用問題も出題されます。そのため、ゆっくり計算していては時間内に終わらせることはできません。 このように、SAT試験はEnglishとMathいずれのパートにおいても制限時間に対して問題数が非常に多いのが特徴です。そのため、時間内にすべて解き切るためには、いかに効率的に解いていくかが重要となります。 詳しいSATの概要や申込方法については、こちらの記事で解説しています。 ☞ 【最新SAT対策情報】SAT試験とは?試験概要~申込方法まで徹底解説
SAT試験の英語(English)対策
SAT試験は主にアメリカの高校生、つまり英語を母国語とする学生が受験する試験です。そのため、外国語として英語を学んでいる私たち日本人にとっては難度の高い英文が出題されます。それらを読み解いて高得点を狙うには、各形式の特徴を掴んで、適切に対策を取っていくことが重要な意味を持ちます。 ここでは、ReadingとWriting and Languageそれぞれのパートごとに、その特徴と対策方法を確認していきましょう。
Readingの特徴と対策
日本の大学入試で問われる国語の問題は、内容が難解でしっかり読まなければ理解できないですよね。その一方、英語の長文問題は、日本語に訳せれば国語よりも内容自体は平易であって、比較的スムーズに理解できるかと思います。このように、日本の大学入試における英語と国語の間には、文章の難度に大きなギャップが存在します。
SAT試験のReadingは、日本の大学入試の国語を英語に訳したようなイメージです。それはアメリカの学生にとっての国語テストであり、私たち日本人が高得点を取るためには、高い読解力と語彙力が必要不可欠です。
また、これも日本の大学入試の国語と同様ですが、出題される文章のジャンルが多種多様です。アメリカの古典などの文学作品、アメリカ建国に関連の深い文書、経済学・社会学などの社会科学、生物学・物理学などの自然科学に関するものなど、実に幅広いジャンルの文章が出題されます。そのため、Readingの問題に解答するためには、英語の文章を読み解く読解力はもちろんのこと、これらテーマに関する知識も必要となります。
Writing and Languageの特徴と対策
Writing and Languageパートでは、意図的に誤りを含んだ英文が出題されます。そこで求められるのは、それらの英文を「正しく修正すること」。イメージとしては、自分が学校の先生となって、生徒の書いた作文を添削するようなものです。
誤りの種類はさまざまありますが、代表的なのが「英文法の誤り」です。たとえば、文章の構造やピリオドの打ち方などに誤りを含んだ英文が出題され、それを正確に修正する力が問われます。中には、敢えて修正するところの無い英文が紛れ込んでいることもあり、そのような場合は[NO CHANGE(修正無し)]という選択肢を選ぶ必要があります。
とはいえ、すべてが「文法の誤り」というわけでもありません。文章の中に本来書かれているはずのない内容が紛れ込んでいる「情報の誤り」や、図表に示されていることの「解釈の誤り」など、さまざまな形式が含まれています。そのため、Writing and Languageで高得点を取るためには、英文法に関する正確な知識に加えて、文章の情報や解釈を適切に読み取る力も求められます。
SAT試験の数学(Math)の特徴と対策
SAT試験の数学(Math)の問題は、複数の選択肢から正答を選ぶ形式と、計算で導いた数字をマークシートに記入する形式(グリッドイン形式)に分かれていて、以下の2パートで出題されます。
スクロールできます
パート | 問題数 | 選択問題形式 / グリッドイン形式 | 試験時間 |
---|---|---|---|
電卓使用不可 | 20 | 15 / 5 | 25分 |
電卓使用可 | 38 | 30 / 8 | 55分 |
日本の大学入試では「電卓使用可」というのは滅多にない形式なので、SAT試験を受験する場合は過去問や模擬試験で電卓を使って解答を導く方法にしっかり慣れておくこような対策が必要です。
また、内容のうえでは以下のように大きく4つのカテゴリーに分かれていて、先ほどの2パートの中で、これらが混在したかたちで出題されます。
カテゴリー | 問題数 |
---|---|
Heart of Algebra / 代数の本質 | 19 |
Problem Solving and Data Analysis / 問題解決とデータ分析 | 17 |
Passport to Advanced Math / 高度な数学への招待 | 16 |
Additional Topics in Math / 数学に関する追加トピック | 6 |
Mathで出題される問題の中には、公式に当てはめるだけで答えが出る比較的単純な計算問題もありますが、一方で解答に至るまでに複数の公式を組み合わせる必要のある応用問題も多く出題されます。とはいえ、煎じ詰めればその基本は同じ。つまり「公式を理解した上でしっかり暗記し、使えるようになっているか」ということに行き着きます。
仮に試験時間が無制限にあれば、公式を使わずにすべての問題を解き切ることも不可能ではないでしょう。しかし、SAT試験のMathで許されているのは、全58問に80分間、つまり1問につき平均1.4分という非常に限られた時間です。そのため、公式を適切に使うこと無くして、高得点を取ることはできません。
対策① 公式は丸暗記でなく、理解して暗記する
公式が大切だからといって、それをただ丸暗記するだけでは意味がありません。公式に含まれる数式の意味を理解したうえで、なぜその公式を使う必要があるのかを意識して使う必要があります。そのため、できるだけ数学の公式は証明しながら覚えるようにしましょう。地図で見ただけの道より自分で歩いた道の方が記憶に残りやすいのと同じく、結果だけを丸暗記した公式より自分で証明のできる公式の方が頭に残りやすく、その分応用も効くようになります。
とはいえ、公式の筋道を理解しているだけではまだ足りません。時間の限られたSATのMathパートで高得点を狙うためには、必要な公式が即座に浮かぶ即効性が必要不可欠です。そのため、一見矛盾して聞こえるかもしれませんが、数学の公式は「丸暗記せずに、理解して暗記する」、これを意識して勉強することが大切です。
対策② 問題に緩急をつけて解く
Mathで出題される問題には、私たちが日本の数学テストで主にイメージする単に計算をするだけの基本問題から、日常生活や学問分野など、さまざまなシチュエーションに関連付けて計算を手段として考える応用問題まで、さまざまな問題が出題されます。試験を受けるにあたって、これらを一律に扱っていては時間が足りなくなってしまいます。そのため、単純な問題は素早く解き、その分浮いた時間を応用問題にまわすといった緩急をつけた時間配分が必要不可欠です。
その際、単純な計算問題であるにも関わらず時間がかかってしまいそうな場合には、思い切って飛ばしてしまう方がかえって点数アップにつながる場合もあります。すべてを解き切ることも大切ですが、自分に解ける問題を数多く見つけるというのも、SATのMathで高得点を取るためには欠かせない姿勢です。
対策③ Mathの内容は日本の中学レベル、違いは語彙にある
SATのMathの問題は、一部にこそ三角法や複素数など日本の高校水準の知識が必要な問題もありますが、そのほとんどは中学校で習う知識で十分解くことができるレベルです。そのため、日本の学校教育で中学・高校と数学を学んできた人であれば、それほど困難無く解くことができます。
しかし、日本語で解くのと英語で解くのとでは、その見かけの難易度が大きく変わってきます。そのため、”absolute value(絶対値)”、”constant(定数)”、”even number(偶数)”など、日本語では聞き馴染みのある数学用語について、英語でもしっかり理解できるように語彙を増強しておくことが大切です。
EnglishとMathそれぞれのパートに対策して、SAT試験で高得点を狙おう
SAT試験はアメリカの大学入試に使われる試験であるため、日本人が受験するには非常に難度の高い試験です。しかし、Reading, Writing and Languageを併せたEnglishパートとMathパートのそれぞれでしっかり対策を取ったうえで受験すれば、日本人受験者でも十分にハイスコアを狙うことが可能です。今回説明したことを参考にして、満足のいく結果を掴み取りましょう。
SAT試験対策の塾・予備校をお探しなら『ケドテック』にご相談ください
各種英語試験対策やアカデミック英語対策の受講相談・お申込、お問合せはこちら。