【英検準1級対策】2級との違い・試験概要・合格ラインを徹底解説!CSEスコア導入の前と後での合格率・合格点の比較分析付き

この記事では、これから英検準1級を受けようと思っている人に向けて、試験概要や合格ラインについて詳しく解説をしていきます準1級と2級を比較しながら、2級との難易度の違いや、英検独自の採点基準である英検CSEスコアによる影響についても触れています。「英検準1級を受けたいけれど、どれくらい難しいのかわからなくて不安」という人は、これを読めば準備は万全です。

それでは、早速確認していきましょう。

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目次

英検準1級の試験概要とは?

英検準1級は、1級に次ぐ英検で2番目に難しい試験です。実際に使える英語力として高く評価されていて、「大学中級レベル」の、社会生活で求められる高水準の英語を理解し使用する能力が問われます。
その他の級も含めた英検の全体像について、詳しくはこちらの記事で詳しく解説しています。

英検準1級の試験は一次試験、二次試験に分かれています。一次ではリーディング・ライティング・リスニングの3技能について、二次ではスピーキング技能を測定する面接試験が課されます。

それぞれ詳しく確認していきましょう。

英検準1級の一次試験

一次試験は筆記(リーディング・ライティング)とリスニングの二部構成です。
一次試験は筆記試験(リーディング・ライティング)とリスニング試験の二部構成。
テーマに関する英作文が課されるライティングのみ記述式で、それ以外の解答はすべてマーク式です。また、リスニングの放送回数はそれぞれ1回ずつです。
リーディング・ライティング(90分)
大問番号問題形式問題数
リーディング短文の語句
空所補充
25問
2 リーディング長文の語句
空所補充
6問
3 リーディング長文の内容
一致選択
10問
ライティング英作文1問(記述)
参照:準1級の試験内容|英検
リスニング(30分)
大問番号問題形式問題数
Part 1会話の内容
一致選択
12問
Part 2文の内容
一致選択
12問
Part 3Real-Life形式(※)の
内容一致選択
5問
参照:1級の試験内容|英検
※Real-Life形式とは、実生活にもとづいたリアルな会話形式のこと。店舗や施設でのアナウンスや留守番電話の録音など、実際にありえそうなシチュエーションでの音声が流れ、その内容に関する設問に答えます。

英検準1級の二次試験

二次試験は、面接形式のスピーキング試験です。過去には「レストランでの喫煙」「在宅勤務」「キャッチセールス」「チャイルドシート」などのテーマが出題されていて、今後も同様に社会性の高い分野に関する話題について出題されることが予想されます。面接官(1人)と英語でコミュニケーションを行います。
スピーキング
問題形式内容詳細
自由会話面接官と簡単な日常会話を行います。(採点対象外)
ナレーション問題カードに描かれた4コマのイラストについて、その展開を説明します。(※)
受験者自身の意見を問う質問(イラストについて)イラストに関連した質問に答えます。(1問)
受験者自身の意見を問う質問(カードのトピックについて)問題カードのトピックに関連した質問に答えます。(2問)
受験者自身の意見を問う質問(カードのトピックに関連した社会性のある内容について)問題カードのトピックにやや関連した、社会性のある質問に答えます。(1問)
参照:1級の試験内容|英検
※ナレーションの制限時間は2分間。時間内に言い終わるためには、各コマにつき30秒程度(2~3文)の説明で収める必要があります。問題カードを渡されてからナレーションを始めるまでに1分間の考慮時間が与えられるので、その間に構成を考えましょう。

英検準1級を受けるなら英検S-CBT という選択肢も

英検では、2021年から新しく「英検S-CBT」という試験形式を導入しました。紙と鉛筆を用いて行う従来型の試験とは異なり、英検S-CBTでは試験の全ての工程がコンピュータ上で完結します。
英検S-CBTは3級~準1級まで実施されていて、従来型との併願も可能です。準1級を受ける場合はぜひ積極的に活用しましょう。

英検S-CBTの試験概要や従来型との違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています

英検準1級は2級と比較してどれくらい難しい?

英検準1級を受験する場合、2級との難易度の違いが気になるところだと思います。
準1級は1級に次ぐ難度の高い試験で、大学レベルの英語力が問われます。そのため、高校レベルの知識を問う2級との間には大きなレベルのギャップがあり、仮に2級を既に取得している人であっても、入念な対策を取らなければ準1級合格は難しいでしょう。

ここでは、準1級が2級と比較して具体的にどれくらい難しいかについて、必要な単語数と合格率を比較しながら詳しく確認していきましょう。

英検準1級・2級の単語数の比較

英検の公式サイトによると、準1級の推奨目安は「大学中級程度」、2級の場合は「高校卒業程度」とされています。これらは学年に換算すると、それぞれ「大学2年生~3年生レベル」「高校3年生(大学受験生)レベル」と言い換えることができます。
具体的に必要な単語数について英検から公式の発表はなされていませんが、上記のレベルをもとに、それぞれの学年で一般的に習得が推奨されている単語数と照らし合わせてみると、準1級と2級で必要とされる単語数は以下の通りとなります。
推奨目安・レベル必要単語数
準1級大学中級程度
大学2年生~3年生レベル
7,500~9,000単語
2級高校卒業程度
高校3年生(大学受験生)レベル
4,000~5,000単語
参照: 各級の目安|英検
ここから、準1級は2級と比較して3,500~4,000単語ほどつまり約2倍程度の単語数が必要だということがわかります。数の面だけで見ても大変ですが、準1級では2級までと異なり、社会性・専門性の高い語彙が多く出題されるため、単語帳などを用いて意識的に語彙数を増やしていく必要があります

英検準1級・2級の合格率の比較

英検では2016年度以降、合格率についてのデータを発表していませんが、2015年までの合格率が毎年安定していることから、今後も同程度の合格率で推移していくものと予想されます。
2015年までのデータを見ると、準1級の合格率は約15%。10人に1人~2人程度しか受からない、非常に高い倍率の試験です。2級の合格率が約25%、約4人に1人が受かる計算であることを踏まえると、その難易度には大きな差があることがわかります。

過去に発表されている2008年~2015年までの準1級・2級の合格率は以下の通りです。
実施年度準1級合格率2級合格率
201516.0%26.4%
201415.3%25.1%
201315.3%26.2%
201215.1%25.0%
201114.5%25.2%
201014.4%25.0%
200914.6%26.0%
200814.2%23.3%

英検準1級の合格点・合格ラインは?

英検準1級の合格点は、一次試験が1792点(満点2250点)、二次試験が512点(満点750点)の合計2304点(満点3000点)です。
単純計算だと78%、約8割の正答が必要ということになりますが、現在英検では「英検CSEスコア」という独自の採点基準を採用しているため、話はそれほど簡単ではありません。
英検CSEスコアとは、2016年度から導入された、国際的な英語力評価の基準であるCEFRに基づいた英検独自の採点方法です。一般的な試験のように問題ごとのスコアが決まっておらず、受験者全体の偏差や4技能の得点分布によって統計的にスコア計算を行うため、何問正解すれば合格できるのかが自分では計算できなくなりました。
ただし、英検公式サイトには、英検CSEスコア導入初年度の試験において「1級、準1級は各技能での正答率が7割程度」の受験者が合格したという記載があるため、準1級の受験においては、今後も7割程度の正答をすれば合格できると考えて良いでしょう。
ちなみに、「2級以下は各技能6割程度の正答率」の受験者の多くが合格したと記載されているため、2級より1割程度は高い正答率を確保する必要があります。
参照:英検CSEスコアでの合否判定方法について|英検

英検準1級の配点

英検準1級では4技能が測定されますが、それぞれの配点は750点ずつで固定されています。
一次試験:合格点 1792点/2250点
測定技能問題数配点
リーディング41問750点
ライティング1問750点
リスニング29問750点
二次試験:合格点 512点/750点
測定技能問題数配点
スピーキング5問750点
参照:英検CSEスコアでの合否判定方法について|英検
先述の通り、現在の英検では「英検CSEスコア」という採点方法が採用されており、4技能のそれぞれを統計的に採点しています。その結果、全部で41問あるリーディングも、1問しか無いライティングも、点数の面では同等に採点されます。そのため、1問しか無いからとライティングをなおざりにすることはできません。
また、各技能のバランスも大切です。たとえば、一次試験において3技能のそれぞれで等しく600点をとったとしたら、合計は1800点となり、合格点である1792点を上回り合格することができるでしょう。
しかし、素点が同じ1800点だとしても、ライティングとリーディングがそれぞれ750点満点でライティングが300点だった場合は、各技能のバランスが悪くなるので、CSEスコアとしてはもっと低い点数に換算され、おそらく合格することはできなくなってしまうでしょう。
このように、英検準1級で合格するためには、CSEスコア評価を高めるべく、各技能でバランス良く得点することが必要不可欠です。「リーディングは得意だけどリスニングが苦手」といったように各技能の実力に差がある人は、苦手なものを底上げして、まんべんなく得点できる状態に調整していきましょう。

英検準1級をCEFRとの対照表で他の試験と換算すると?

先述の通り、英検は国際的な英語力評価基準CEFRに基づいているため、その他の英語能力試験と難易度の比較をすることができるようになりました。
CEFR英検IELTSTEAPTEAP CBT TOEFL iBTTOEFL JuniorTOEIC / TOEIC S&W
C28.5~9.0
C11級7.0~8.040080095~1201305~1390
L&R 945~
S&W 360~
B2準1級5.5~6.5334~399600~79572~94341~3521095~1300
L&R 785~
S&W 310~
B12級4.0~5.0226~333420~59542~71322~340790~1090
L&R 550~
S&W 240~
A2準2級3.0150~225235~415300~321385~785
L&R 225~
S&W 160~
A13~5級2.0200~380
L&R 120~
S&W 80~
表を見てわかる通り、英検準1級は上から3番目のB2に属しており、これはTOEICで約8割得点することと同等のレベルです。TOEICで8割以上のスコアを保持していれば、国際的な企業の多くでプラスに評価されます。このことからも、英検準1級が高い英語力の指標として認められていることがわかります。

参照: 各試験団体のデータによるCEFRとの対照表|5.英語教育の改善・充実について P.37(P.84)|文部科学省

英検準1級合格で得られるメリットとは?

英検準1級を受験することには、級合格という達成感を得るという以外に、実用的なメリットが多く存在します。ここでは、その中でも代表的な2点についてご紹介します。

英検準1級のメリット①:大学受験で有利に働く

英検準1級を取得していると、大学受験時に有利に働きます。
具体的には、英語試験の点数に加点してくれたり、試験自体を満点換算として免除してくれたりなど、大学によってさまざまな優遇パターンが存在します。また、一部の国公立大学では、英検準1級を大学入試共通テストの代わりとして受理してくれる場合もあります。
入試本番では、体調不良などにより実力が出し切れないことも十分考えられます。そのため、万が一のために英検準1級を取得しておけば、より安心して受験に臨むことができるでしょう。
また、大学受験以外の場合でも、大学の単位としての認定、就職活動時のプラス評価、教員採用試験の一部試験免除など、さまざまな恩恵を受けることができます。

英検準1級のメリット②:海外留学に利用できる

英検の恩恵を受けられるのは国内に限ったことではありません。海外留学を目指す場合も、入学資格として利用することが可能です。英検を語学力の証明として認定している具体的な国としては、アメリカやオーストラリア、カナダ、ニュージーランドなどが挙げられます。
また、これらの国にある一部の4年制総合大学などは、英検の中でも「準1級・1級」のみを入学資格として認めています。そのため、英検準1級を取得しておくと、海外留学の際に選ぶことのできる学校の選択肢が増え、自分に合った留学先を選ぶことのできる可能性がより高まると言えるでしょう。

参照: 英検で海外留学|英検

英検準1級は高難度の試験 合格するためには入念な対策が必要不可欠!

英検準1級は、1級に次ぐ非常に難しい試験です。合格率約15%という数字も、検定試験としては高い水準にあることを示しています。
出題される単語や文章の水準も大学レベルとなっており、高校レベルの知識を問う2級との間には大きなレベルの隔たりがあります。そのため、既に2級を取得している人であっても、あらためてしっかり対策を取ったうえで勉強しなければ合格するのは難しいでしょう。
とはいえ、それはあくまで「しっかり対策を取らなければ」という話。難しい試験であることを念頭に置いて適切な勉強を行えば、英検準1級に合格することは不可能ではありません。誰にでも、実現させるためのチャンスは等しく与えられています。

今回ご紹介したことを参考にして、英検準1級合格をその手に掴み取りましょう!
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